綿密な計画と入念な下準備を終え、ついに俺は計画を実行に移す。
夕方。
前々からターゲットとして決めていた少女を、人気のない道で待ち伏せる。
程なくして、少女は現れた。
一人きり。この曜日は友人が塾に通い、いつも一人で帰るということを俺は下調べで知っていた。
母子家庭で、なおかつ母親は遅くまで働き、夜中まで帰ってこないことも知っていた。
子供の帰りが多少遅くなっても気づかれることなく、なおかつ、
何かあったときに言い出しづらい家庭事情をもつ少女を俺はターゲットに選んでいた。
近づいてくる少女。俺ははやる気持ちを抑え、周りの状況を確認する。
誰も…いない。絶好のチャンスだ。
何食わぬ顔で、俺は少女に向かって歩いていく。
少女はまったくこちらを気にしていない。
すれ違いざま、俺は少女に催眠術をかけた。
「俺の後ろを10mほど間を空けてついて来い。そして俺が家に入ったらそのまま中に入って来るんだ」
少女は、静かにうなずいた。

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